「唯物論と観念論」についての続きを書かなければいけないのに恐縮ですが、ちょっとチャリの話を。
前の話はほとんど書けてはいるのですが、誤解があってはいけないと思い、調べなおしているうちに
面白くなってきてしまいミイラに…といった、よくある悪いパターンになってしまったのでした。
おかげで言語学史と文化人類学史の構造が見えてきたのは収穫でしたが、
とにもかくにもお待たせしているものです。申し訳ない。
・まえおき
さて、旅チャリを新調しようという今時奇特な学生さんへの資料。
ちょっと調べてみたところ、10万円前後で買える旅用自転車のなかで、
ジェイミスの「オーロラエリート」に目をつけた。
このバイク、毎年、カラーリングを大幅に変えてくる。
結論からいえば、好きなカラーリングのものを選べばいいのだけど、
その中身を少しつっこんで見ておきたいばあい、コンポーネントを見るといい。
・表の見方
下の表ではオレンジ色で示した行のうち、ディレイラーとシフトレバーだ。
2008・2009年モデルはシマノのロード用コンポ「105」を使っており、申し分ない。
初心者どころか、その気になれば一生乗れるグレードである。
2010年モデルは、シマノのMTB用コンポに変更されているが、グレードとしては同等のものと考えていい。
後ギアが9速になっていることはマイナスだが、MTBコンポの採用にともなって、
ブレーキがディスクブレーキになっていることは間違いなくプラスになっているはずだ。
ところが2011年モデルになると、コンポがスラム製になっている。
これは推測でしかないが、組立が台湾のジャイアントになったことにともなって、
ジャイアントの子会社であるスラムのものを採用、という運びになったのではないか。
しかしこのスラム、シマノほどの安心感はまだないので、
コンポを自前で何とかできない初心においてはリスクが大きすぎる。
というわけで、おすすめは2008、2009、2010モデルのうち、
予算の範囲内で気に入った色のものを、上記のコンポ、ブレーキとの兼ね合いで考えて選ぶとよい。
2010年モデルではドロヨケ、キャリアが装備されているようだが、こちらもお好みで。
ドロヨケがなくても旅ではそれほど困らないし、キャリアはしっかりしたものに変えることになるのではないか。
どのモデルについてもペダルはついていないので、一緒に注文して組み付けてもらうといい。
・ジェイミス オーロラエリート
・ちなみに
「コンポが違っていても、走り出したらそれほど違わないし、
プロ用バイクの位置づけであればそれほど変わりはない」、
という意見がまれにあるが、極端すぎる意見だ。
フィットもベンツもクルマであることに変わりはないから、どちらでも同じ、と言っているのと同じである。
そんなことを言い始めると、ママチャリもプロ用バイクもチャリであるという意味では同じなのだから、
ママチャリで旅をすればよいことになる。
(相対主義では本質はとらえられない、とはいつも学問の講義でも伝えている通り)
事実、コンポーネントの違うバイクに乗ってみれば、
グレードが2つほど違えば誤魔化しようもない差があることは歴然だ。
プロ用バイクにのって、2,3こぎもすれば、100メートル以上は何もしなくても進むことがわかるが、
グレードが高くなればより違った結果になる。
短距離をダラダラ走れば事足りるママチャリと違って、旅というのは、
毎日の積み重ねをできるかどうかに最大の焦点がおかれてしかるべきだ。
その一日を必死に走って、次の日は立てないから休んでいた、というのではいけないのである。
そうなると、旅の仕方・装備には注意を払いすぎるということはないのだから、
予算の範囲内でもっともよいものを安くで買う、という意識は必要不可欠なのだ。
とにかく高いものを買えとは言わないが、
できるならばコンポは105以上(MTBコンポでいえばDeoreクラス)を選んで欲しい。
今回のセールではそれができる。(通常ならば、10万円だと最下位のSoraしか買えないだろう)
そうすれば、フレームを始めとした全体のパーツが必然的に良いものとなり、総合力が違ってくる。
旅好きのひとならば、間違いなく一生の相棒になるはずだ。
旅の中で、バイクは体の一部のような気がします。
返信削除そう考えると、どんな質のものを乗るか自然と決まりそうです。
「相対主義では本質はとらえられない」
返信削除読み返すと、響く言葉も変わりますね。