いつもならこの時期には、
倒れて迷惑をかけちゃうことがあるのですが、今年はまだです。
毎日目的的に同じ過ごし方をしていると、体調が悪くなり始めたときにはすぐに気づくので、それなりの対処ができますから、質的に転化する前に対処することができます。
どうにもならないときもありますが、それでも、高熱がでる前の晩には、「こりゃ明日はひどいのが来るぞ」という感覚がはっきりとありますから、予定はさほど乱さずにすんでいると思います。
倒れたら倒れたで、テープで手のひらをぐるぐる巻きにして文字を書いたりびっこを引きながらランニングしたりしなくても気持ちの上で納得ができ、「休む」という一点に集中できるので、疲れをじりじり引きずるよりもずっと効率的だったりもします。
ついでに、高熱のときには目を閉じると普段ではお目にかかれない光景が脳裏に煌めいているので、それをスケッチできるというおまけ付きで、人さまに迷惑をかけること以外には、むしろ楽しんでもおります。
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そうはいっても、倒れていないのだから仕方がない。
今年度をしっかりと終えるために、あと1ヶ月こそ大事にしてゆかねばなりません。
読者のみなさんも、厳格に期限を決めて目標を達成しようとしている場合には、期限が迫る最後の数日、最後の数分で、飛躍的に作品の質が上がることを経験したことがあるのではないかと思います。
わたしがピアノをはじめたときなんかも、3ヶ月でホルスト「木星」に取り組もうと思い、最後の日は期限が迫る数分前に、はじめてミスせずに弾ききれたものです。自分なりにでもそういう達成の経験があると、どれだけ無理だと言われても、ダメならダメだという結果を見事に出してやろう、言い訳できないくらいに取り組んで、正しく失敗してやろう、という気になります。
わたしは年末年始だといっても、学生との約束以外はガヤガヤしたところには行きませんが、その代わりに、自分で決めた目標が達成できるかどうかという意味では、ひとつの節目になっているわけです。
今年はすべて失ったと思ったら、その代わりに、というよりも失ったからこそ、大きなものを得ることができたというような、不思議な年です。
といっても、まだ終わっていませんから、読者のみなさんとも切磋琢磨、さいごまで走りきりましょう。
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ご報告したいことが山積みですが、とりあえずわかりやすいものから。
今回取り組んだのは、iPhone 4Sのケースです。
あたらしくスマートフォンユーザーになった学生たちと大量生産したスリーブ型と違って、フリップ型のもの。
左がそれ。写真の右は、手持ちのシンプルレザージャケット(パワーサポート販売、おそらくRethink製。トップページからは容易に飛べないところに掲載されているので、存在を知らなければ見つけられないと思います) |
高度な革漉き技術は道具も含めてないので、革の表を貼り合わせることはできない代わりに、革の裏地をストッキングで光沢が出るまで磨いてあります。
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縫い目も無いので、切り出した革を丁寧に処理すればできあがり。
といっても、裏地を放ったらかしにできないので、作業時間はむしろ伸びていますね。
裏面に粘着シートが貼ってありますが、オーナーに渡すまで糊付けはできないので、まだ丸みを帯びています。
革の素性が良いので、シンプルな構成もなかなかいいですね。
クリームを挟んだクッキーのようで、かわいいのではないでしょうか。これまで着けたまま使うタイプのケースを作ってこなかったのは、どう工夫してもカメラが使いにくくなってしまうという欠点があると思っていたからですが、構えてみた感じでは、指が届けばむしろホールドしやすくなるかもしれない、という印象でした。
そのことや、糊がちゃんと付くのか、などの気になる点はオーナーに実験してもらわねばなりませんが、うまくいけば次にも続いてゆきそうです。
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