最近よく聞かれるのがこれ。
iPhoneユーザーがものすごい勢いで増えているから仕方がないとは思うけども、学問をやっていると、知識的なことを伝えたりするのが全然面白くなくなってくるから、実のところ答えるのがちょっと億劫なところもある。
論理的なものごとの見方がいかに面白いかということの裏返しなのだが、学問の力が技として身についてゆくと、日常生活の中で起こるあらゆる事柄が、その裏に眠る構造を現し始め、それらが体系性を持った重層構造として位置づけられてゆき、「なるほど」、「そうだったのか」という火花が頭の中でパッ、パッ、パッと散るのがわかるようになる。
刀を振り続けていると切っ先が急所に吸い込まれるような感覚が芽生えるように、
緊急的な非難の時に視野が狭まると同時に遥か先まで見通せるようになるように、
起伏のある道を薄闇の中走り続けると足を置くべきところが光って見えるように、である。
知り合いのレーサーや彫刻家も同じようなことを述べていたけども、ああいう経験を身をもって体験すると、受身の娯楽などというものは、とても満足させてくれるようなシロモノにはなりえない。
ドラッグなんかに走っちゃう人は、ほんとに楽しいことを知らないのではないだろうか。
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さてわたしとしてはそんなふうに、画面とにらめっこしてばかりではなく、アタマもカラダもしっかりと運動形態に置いたうえで日々を送ってほしいと思うのだけども、いまの電子機器は、びっくりするほど便利なので、付き合い方次第では有意義なのは確かである。
ただ同時にわきまえておいてほしいのは、あまりに便利な道具を使うことによって、「一体何をせずに済んでしまっているのか」ということである。
クルマを使えば足が弱るし、キーボードを使うと漢字を忘れるし、ナビを使うと方向感覚が失われる。量的な不足の積み重ねによって、質的な後退が起きてからでは遅い。
たとえば漫画家を目指すのであれば、日頃からデッサンを、デッサン用の鉛筆の削り方をちゃんとしたうえで取り組んでほしい。
物書きの場合であれば、清書はともかく、下書きはしっかり自分の指先で筆記用具を握って取り組んでほしい。
そうでなければ、たとえば前者の場合には、「この一本の線を引くのにいったいどれだけの研鑽があったのか」というレベルの目を養うことはできないから、一流というものを像として描くことすらかなわず、それはとりもなおさず夢として描く像が本質的にレベルの低いものになってしまうからである。
綺麗な直線を引くのに定規が手放せない、定規を当てながらでないと真っ直ぐに文章を書けない、などという現状を放ったらかしにしておくのは、三流でも別にいいやという姿勢でしかないわけである。
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さて、はじめはiPadから。
iTunes Storeでアプリケーションを探すときのコツは、「まずiPad専用版から探す」ということである。
iPadならばiPhone対応のアプリケーションでも拡大して使えるが、iPhoneではiPad専用のアプリケーションは使えないからだ。
なので、iPad専用版を探して、それが見つからない場合には、次善の策としてiPhone版を拡大して使う、ということになる。
iPhoneしかお持ちでない場合は、当然にiPhone版のアプリケーションを選ぶしかないわけであるが、同じ機能を持ったものが両対応版として存在していないかと探してみると、iPadを買い足したときにも無駄にならずに済む。
それにならって、まずはiPadから触れてゆこう。
あまり丁寧に解説している時間がないけれども、独学する力を養うためにも、手取り足取りガイドラインを教えてしまわないほうがよいとも思う。
それから、個別に紹介はしてないけども、スクリーンショットに載っているものはそれなりに使えるものではないかと。ゲームについては、みなさんのほうが詳しいだろうから紹介しない。
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◆iPad 01◆
iPad 01 |
(iPhone版は、「i文庫S」)青空文庫を閲覧するためのアプリケーションだが、PDFファイル、ZIPで結合した画像ファイルなども読めるビューアー。インターフェイス、軽快な動作などApple純正かと見まごうほどの品質で、電子書籍としてiPadを買ったらこれを入れないと始まらない。わたしは論文も学生の描いた漫画も絵画も、自分の研究で作ったPDFファイルも、全部これに入れておく。
はじめて起動すると、ページめくりにすら感動できる。 |
青空文庫が読み放題。 |
iPhoneにも対応。登録したファイルを、クラウドに保存してくれるサービス。複数の端末間でファイルをやり取りするときに便利。たとえば、ゼミ発表で使うファイルを指定したフォルダに放り込んでおくと、出先にiPhoneからそのファイルを呼び出せる。
iPhoneにも対応。マインドマップをお使いの方なら、これがいちばん使いやすい。Mac版との連動も。
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