2012/05/16

本日の革細工:iPhoneバイクマウント

書きかけの記事を残したままだけど、


前に頼まれてたものをが出来たのでちょっと公開しておきます。

タイトルのとおりだけども、自転車やバイクでiPhoneをナビ用途に使う時、困ることは、いちいち出したりしまったりするのが面倒くさい、ということ。

なので、そういう用途でiPhoneを使いたいチャリダーやバイカーは、大体の場合はハンドルの部分にiPhoneを固定するアタッチメントを買ってくることになる。

「iphone+バイクマウント」なんかで検索すると、いくつかのメーカーからこういうものがリリースされている…


…のだけど、Amazonなんかで使用者のレビューを見ると、どれも一長一短の模様。

どの製品でも見かけるのが、「走行中に蓋が開いてiPhoneが落ちました!」。

ダメじゃん。

◆◆◆

わたしの場合は、ちょっと通勤に使うとか晴れた土日にポタリングできればいい、というような用途ではないから、1日100km安心して走れるアクセサリでないと買う意味がない。

そんな経緯があって、自転車仲間と、iPhoneのバイクマウントってなかなか良いの無いよねえ、ってな話をしていたら、「ないなら作るよね?」という無言の期待を寄せられてしまって、引くに引けなくなってしまった。

それでも、「そんなのできるかなあ…」という思いがずっとあって、案を作ったり潰したりしていたのだけど、

MINOURA(ミノウラ) ボトルケージホルダー BH-100S

GW前に調達したこれを見たときに、「あれ、これならいけるかも」という感触があった。

とりあえず目標は、「iPhoneがまず落ちない」というようなiPhoneホルダー。
こんな水準を目標にしないといけないあたり、自転車アクセサリメーカーの実態が現れているようにも思うけどね…そもそも、落ちるようなのを人様に売るんじゃないよ。

◆◆◆

さて、ものづくりというのはどんな時も、考えている時間が9割、製作は1割かもっと少ないものなので、これだと見ればさっそくとりかかる。

まずは、iPhoneを安定して操作できるように、堅い板が要る。
わたしの持っている素材は革とかコルクとか帆布生地とか、そういうものばかりだしね。
でも空き時間を考えればホームセンターに行っている時間もないし、というわけで思いつたのがこれ。


古い電気のスイッチパネル板。
これに、さっきのボトルホルダーに合わせるように、ピンバイスで穴をこじ開ける。
(都合のいいことに、ネジ穴のサイズがM4なので、自転車でよく使われるネジがそのまま使えるため、もうひとつ穴を開ければいい)

でもこの上にiPhoneを直接固定したりすると、背面のガラスが割れちゃう。

◆◆◆

なので、次に同じサイズにコルク板を切って、緩衝材に使う。


電気プレートそのままじゃ何なので、自転車バッグG4で使ったあまりのピッグスエードを貼ったうえで、自転車に固定してみる。


おっ、意外といけそう?
ボトルケージホルダーも電気パネルも金属なのでがたつきなし、がっちり固定されている。
とりあえずこの部分は、既存の製品みたいに根本から折れることはまずない。

そうなるともう問題は解決したようなものなので、あとはこの土台に合わせてiPhoneケース部を作ればいいだけだ。

◆◆◆

というわけで、できました。


肝心の製作工程については、膝の上で仔猫が寝ていて身動き取れず、写真を撮れませんでした…申し訳ない。

◆◆◆

どんなふうにくっついているかというと、

1. コルクのインナーにiPhoneをはめる。


2. レザーケースにインナーごと下から入れる。


3. レザーケース背面上部のポケットにマウント板を突っ込む。


4. レザーケース背面下部のボタンを留める。これでおしまい。


ボタンが小さいのがちょっと不安だったけれども、数十キロ試運転してきた限りではなんともなかった。
コンビニに寄るときも、ボタンを外せばケースごととれるので盗難対策も楽。

もしボタンが外れていたとしても、コルク、ピッグスエードの摩擦がかなりあるのでいきなりすっぽ抜けたりはしないかと。

◆◆◆

でもこんなゴツいコルクに挟まれてたら操作性はどうなるの?、と思った読者の方は鋭い。
そういう人は、きっとどんな道具でもうまく使いこなせる人でしょう。

今回は、小さなガイドになる金属ボタン(カシメ)をつけて、ケースの上から押せるようにした。
コルクやレザー部にあんまりたくさん穴を空けちゃうと、強度が下がったり急な雨の時に対応しきれなくなってしまうから。


同じように、正面のホームボタンにも金属ボタン。
裏地にはピッグスエードを貼ってあるので、長時間乗っていても振動で本体を傷つけたりしない。
ただ大きく揺れると、金属ボタンが本体のホームボタンを押下してしまうことはあるかも。
ホームボタンに合わせてレザーを切り抜いてもよかったんだけど、今回はこんなふう。


iPhone 5が大型化しても、現行iPhoneよりもフットプリントが周囲+6mmの範囲内に収まっていれば収納できる。
ただその場合は、振動吸収性が落ちるのが気がかりので作りなおしかな。
とりあえず、がっちりしたプレートを作れたのは収穫。


◆◆◆

今後の課題と対策としてはこんなところ。

・使ってるとインナーのコルクがボロボロになるはず
→目の詰まったコルクを使うか、コルクパテで埋めておくほうがいいかも。

・レザーケースからインナーが抜けにくい…
→落下の心配をしなくていいという意味ではいいが、側面の切り欠きをもっと長く・大きくしたり、コルクの材質自体を少し固めのゴムスポンジなんかに変えてもいいかもしれない。わたしはこのくらいのほうが安心できるけども。

・雨降った時対応できない
→iPhoneかインナーごと小さめのジップロックなどに入れておくのが良いかと。ボトルケージホルダーがアーレンキー1本で簡単に着脱できるので、雨に降られたらホルダーつきのケースごとごっそり仕舞うのがいちばん賢いかも。


とりあえずご報告がてら。
今日の試運転は少し距離のあるところまでナイトランしましたが、iPhoneのナビはめちゃくちゃ優秀でした。あんまり頼り過ぎると地図が読めなくなるので注意が要りますけど。

これ作って欲しい人はホルダーと電気プレートも持ってきてくださいね。

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