いつもこのBlogで紹介している、文学修行中の弟子へのコメント記事についてですが、これまではどうせ検索すればすぐに出てくるし時間が惜しいからと、青空文庫の原典へのリンクは記載していませんでした。
ところがここ最近は、この記事を読んで勉強をしてくださっている人がわたしと弟子以外にもけっこういることがわかったので、ちょっとでも一般読者のみなさんが読みやすくなるようにと、タイトル通りのささやかさではありますが工夫をすることにしました。
それから、レポートのレベルが上がってくるとたびたび経験することなのですが、そうなるとわたしとしてもコメントをするのに時間がかかるので、できれば他の人にも目を通してもらうことで、直接の指導に当たれない空き時間にもまとまった文章に目を触れておいてほしいといった思惑もあります。
ちなみに、リンクをクリックしても新規ウインドウでは開かないようにしてありますので、Macをお使いであればcommandキーを押しながらクリックして、別のタブで原典を開くようにすると、原典と記事を行き来できて便利だと思います。
(Windowsをお使いの方は、shiftキーを押しながらクリックだと思います)
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ところで、わたしは一日のうち、指導にかける時間が180分で、そのうちこのBlogにかける時間はだいたい90分弱です。
Blogに掲載するかどうかに限らずひとつの論文やレポートにコメントをするときには、その文章自体をある程度しっかり読みこなしておかなくてはならないのは当然として、それが参照した原典の内容も把握しておかねばなりませんから、その下調べは移動中、入浴中や料理のあいまに済ませたうえで、どうアドバイスすべきかのおおまかな絵地図を頭の中に準備しておきます。
落ち着ける環境になったら執筆に取り掛かり、60分でおおまかに書いて、残りの30分で細かな表現を書き手の現在の立場に合わせて整えてゆきます。
ただ目標をどれだけ守ろうとしても、いつも決まった時間を取れるわけではないことや、提出されたレポートが緻密なものであるほどに添削に時間がかかりますし、たまには「これ前も言ったよね…」といった内容にしょげたりすることもあったり、ごくまれには「よくぞここまで」の念にとらわれて感動のあまり外を走りたくなるようなものもありますから、やっぱり目安にしかなりません。
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書き手にふさわしいタイミングで、ふさわしい内容のコメントをもっと早く書けるようになりたいな、といつも自分の実力の足りなさ加減を痛感するのですが、質的な向上を望むときにはどうしても、絶対的な作業時間が増えてしまいますから、いくら早めに終わりそうなときにでも、締め切り時間ギリギリまで推敲を重ねたくなってしまうというのがどうにもならない現実です。
そういえば年末に顔合わせをしたときに、親戚が、「子育ては適度に手を抜かなきゃいけないよ」と言っていたのを思い出しました。
なるほど、先達の極意。
まー言ってることは、よくわかるんですけどね。
どうやらわたしにとっての期日というのは、「この日までに作業を終えなければならない」という意味合いよりも、「この日のこの時間まではもっとよくできる」という意味合いのほうが大きいようなので、きつきつだから大変というよりもむしろ、期日をきっちり決めているから無理せずに毎日を回せているのかもしれないなあと思う次第。
もっとも、正しい意味で「手を抜く」には、どこが大事なのか向きあうものの本質をつかまえているのでなければどこで手を抜けるのかもわからない(対立物の相互浸透)のだから、そういう意味で、この極意はとても、弁証法的なのだなあ。
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